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【地域公共交通確保維持改善事業-生活交通サバイバル戦略】
存続の危機に瀕している生活交通ネットワークをその地域に最適な形で確保維持するため、地域の多様な関係者による議論を経て策定された計画に基づき実施される取組みを、国が一体的かつ継続的に支援する事業である。2011年度予算案で特別枠として設定された「元気な日本復活特別枠」に305億円が計上された。


 2009年9月の総選挙で圧勝した民主党と、当時連立与党の一員であった社民党がマニフェストとして掲げていた政策に「交通基本法制定」がありました。両党は2003・2007年の2回にわたり、議員立法として法案を提出したものの、いずれも廃案となっていました。この法案では「国民の移動の権利の保障」を最重要項目として掲げており、それは当然、公共交通の充実へ直結します。ただし、そのためには多額の財源が必要となります。政権獲得後、特に与党は財源確保策について様々な検討を水面下で行いましたが、結局、現段階まで確保はできていません。

 一方、新政権の目玉政策であった2009年11月実施の事業仕分けに、地域公共交通活性化・再生総合事業費補助事業がかけられることとなり、その大半の事業が廃止判定となってしまいました。しかし、交通基本法が施行に至れば移動権保障のための財源確保が必須となるため、国土交通省は「地域公共交通確保維持改善事業-生活交通サバイバル戦略」を2011年度予算案で特別枠として設定された「元気な日本復活特別枠」を決定するために2010年秋に実施された「政策コンテスト」にエントリーしました。

 「生活交通サバイバル戦略」は、地方公共交通に関する補助金や活性化・再生総合事業など8つの制度(総額215億円)を廃止し、それらを一本化して「全国のどこでも誰でもが移動手段の確保が可能となる社会の実現をめざす取り組みを一括して支援」する制度と位置付けて、453億円を要望しました。この政策は、時限なしで地域に必要な公共交通を確保する施策として比較的好評価を得たことに加え、交通基本法成立後に移動権保障を支える制度と位置付けることで与党のマニフェストとも整合する点を強調する内容でもあり、パブリックコメントでも多くの支持を集め、2011年度予算案に305億円が盛り込まれました。要求額には遠く及ばないものの、前年度からは大幅増となりました。

 生活交通サバイバル戦略は「国が最低限の移動を確保する」ことを基本概念としているため、赤字補填は架橋されていない離島航路や航空路などを対象としており、地方ローカル鉄道や自治体が赤字補填を行っている路線バスは「最低限の公共交通」とは見なされず対象外とされています。一方で地域内フィーダー系統は対象となっているため、このままでは地方ローカル鉄道や路線バスは補助金目当てでデマンド型の公共交通や福祉・乗合タクシーにシフトする危険性をはらんでいます。

 この制度は、地方ローカル鉄道や路線バスの廃止をより一層促進する懸念があります。

 


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